真っ暗を抜けて、人並みの暮しを手に入れるために

「こちら、少ないけど使って」
主人から手渡された茶封筒のインナーを開けると十万円が入っていた。
「いいの?こんなにも」
「およそ、小遣いにしちゃ多すぎるが、ほんのハートです」
主人は誇らしげに言い放った。
「果たしてすさまじいことをやってくれたよ。お前にはとっくに『奥様としての高望みは終わる』なんて言わせねえよ」
それから20代中程も迎えたなら少なくともそれなりの商標物を身に付けてほしいとも言われたが、わたくしは服装の商標についてなど何ひとつとして知らない。
それでも久方振りの臨時収入を前にわたくしは喜々として楽しみをあらわにした。
十万円は、心から必要な一品だけを買い取り付けるために大切に使わせて貰うことにして、わたくしは主人と見極め店先に赴いた。
主人は「こういう時くらいは最近の女らしくしばし欲しがればいいのに」とばかりにいまひとつ物足りない動向をしていたが、わたくしは久しぶりに贅沢な宅配と普通の家計というものを共に味わえたことにただ歓びだった。キレイモ 回数制パックプラン